理事長対談
2013年理事長対談Vol.2 松浪ケンタ衆議院議員 2013年3月17日
【はじめに】
大矢
国会会期中のお忙しい時期に貴重なお時間をいただきましてありがとうございます。今年はいろいろな方たちと対談形式でお話をきかせていただき、我々がどのような行動をとるべきなのかを考えながら進めたいと思っております。
松浪
以前から思っていたのですが、高槻から始まった運動が全国に広まるような事ができれば素敵じゃないですか。その一つとして、祝日を見直す活動はいかがですか。戦前は祭日となっていて新嘗祭など皇族の行事と結びついていたのですが、戦後の祝日法により名前が変わってしまいました。
大矢
国旗を掲げるところも少なくなっていますね。
松浪
そうですね。戦後の法制で現在のようになりましたが、本来祝日にどういった意味がありなぜ休日になっているのか、またどうして国旗を掲げていたかを理解することは大変意義深いことだと思います。
たとえば、大きな国旗を自宅前で掲げるのは物理的にも大変なので、かわりに小さな国旗を作成して掲揚し、日本の伝統文化を大切にしていく。
このような活動をされるなど、大矢理事長をはじめとする高槻JCさんのテーマの可能性は無限にあるのではないでしょうか。
大矢
ありがとうございます。
【現在の政策について】
・社会保障制度と財源
・道州制
・経済成長戦略
大矢
地方自治体と国との関わり方を、我々の選挙区から選出されている松浪先生にお聞きしたいと思いますが、高槻市がどのようなかたちで国と関わっていくべきでしょうか。
松浪
私はご存じの通り道州制を推進していますが、当初は否定的な意見をたくさんいただきました。私のスタッフでも道州制がここまで認知されるとは思っていなかったようです。現在では私が取り組んできた内容がかなり広がりを見せているのかなと思います。理想では、国ではなく「道州」が高槻市とやりとりするようなシステムになると思っています。
大矢
道州制の部分ですね。
松浪
そうです。一つ例を挙げますと、道路法上において道路とは、高速道路網、国道、都道府県道、市道の4つに分類されています。しかし、私の考えでは、高速道路網は道州と国が一緒に考え、国道などは当然に道州で考えた方がうまくいきます。とくに道路等のインフラについては、地方の在り方は地方で考えるというように実施していかなければいけません。
高槻は戦後より革新市政で国に対する要望も一切拒絶してきました。国道171号線をご覧いただければわかるように、茨木市は幅員が広く、高槻市に入ると狭くなり島本町に入ると広くなるといったように一事が万事ですね。
大矢
先日、市長とお話した際に、名神高速道路のインターチェンジについてもおっしゃられたように拒絶していたとお伺いしました。
松浪
名神高速の京都南と吹田の間でインターチェンジを建設する計画があり、緑が丘辺りが候補になっていましたが、高槻市はそれも拒否し、結局茨木にインターチェンジが作られました。
当時の高槻市政にはどのような街づくりをしていくのかというグランドデザインが無かったということです。
話は戻りますが、市で実施できる事もたくさんあると思います。一例として、オートバイ置場ですら国に決められています。しかし高槻市の条例を変えれば駅前では50ccだけでなく125ccまで駐輪できます。車格はかわりませんので問題無いのですが、こんなことすらしていないのは行政の不作為でないかと思います。
また、戦後から続くこれまでの高槻の教育の在り方を素直に見直して、どのような子どもたちを育てていくのかという事も重要なテーマです。ゆとり教育ではなく「みとり教育」が必要ではないでしょうか。今の時代、祖父祖母と遠く離れて暮らし、死に目に会えない子どもたちの方が多いのです。それであれば近所のおじいちゃんやおばあちゃんとの交流を増やし、交流していたおじいちゃんやおばあちゃんが亡くなった時にはお葬式に参加するなどの工夫をすれば、教育の幅は広がるのではないかと思います。
また、市バスについてですが、大阪府下では大阪市と高槻市だけです。大阪市は民営化に向けて動いていますし、高槻市もそうすべきだと思います。このように市として実施できることは沢山あると思います。
大矢
松浪先生は高槻・島本から選出されていますが、もともと知り合いがいない環境でどのように民意を吸収されたのでしょうか。
松浪
土地柄や保守系といった事ではなく革新や左翼で塗り固められてきた事を正攻法で崩すことはできないなと思いました。私は、まず自分をベンチャー政治家と規定し、今までの考え方を全て捨て、ゼロから今まで誰も考えていなかったやり方で皆様の民意を得ていこうという事が原点であります。その最たるものが道州制であり、それをブレイクダウンしていく中で大阪都法案の与野党協議責任者もお受けし、法案を作らせていただきました。
その中で地方分権、道州制、次は大阪都構想を掲げて大阪府下の地方分権をどれくらい急激にすすめるかといったところが重要です。
大阪都をすすめるにあたり高槻、島本も合併しておかないといけません。大阪都構想を実施した先、大阪府下は全て中核市レベルで再編し、府は大阪経済の戦略等に特化していくといった形がよいのでは。そうすれば、各市が何かしらのかたちでパンデミック状態に陥った時などは、現状では府がなんといっても市町村は対応できないので、市町村と普段から連携して対応準備しておき、府は連絡作業を実施する。府は司令塔ですが市町村は司令塔でありながら実施主体であるため機能しなくなってしまいます。そのあたりを早急に整備することが必要ではないでしょうか。
大矢
その一つのツールのようなかたちで円滑にするための考えが、日本維新の会と合致しているということでしょうか。
松浪
そうですね。このように地方のための法律を通すことは今までの国会では有り得ませんでした。
大矢
維新の会というのは今までとは逆に地方から国へといったお考えなのでしょうか。
松浪
実はそれだけではなくて、JCさんも提唱されている憲法改正についても問題意識があります。
先般の選挙結果のように、自民党だけが圧倒的な存在になりますと、憲法改正というのは未来永劫できないのです。なぜなら自民党が参議院で3分の2の議席を獲得するといった事は有り得ないからです。そこには国家をこのようにするという一つの方向性をもつ自民党以外の勢力が必要です。
維新の会は自民党と同じ方向を向いている点も多いのですが、異なるのは短期で物事を変えて本当に憲法を改正するといったようなスピード感としがらみの少なさです。短期的な視点とは、地元においては、まずいかに大阪都を実現するかです。そして国においては憲法96条を変えてしっかりした国の枠組みを作り直すことです。
今の47都道府県は明治23年の府県制の導入の時に47のかたちになっていましたが、それ以降全く変わっていません。市町村数は明治初めに70,000ありましたが1,719へ変わっています。市町村数は変わっているのに都道府県数は変わっていないというこの枠組みを何とかしなければいけません。
大矢
今あるべき姿へ変えなければいけないという事ですね。
松浪
そうです、明治以来続いている中央集権制度を変えなければなりません。また、戦後施行されてから現在まで一度も改正されていない憲法を、国の最高法規として維持していること、これも変えなければなりません。
私たちの仕事を一言で申し上げると、「内政においては、明治以来の中央集権体制を道州制で終わらせる。外交においては、憲法改正で戦後に終止符を打ち新しい時代を切り開いていく」です。
大矢
一般の方は道州制にたいしてのイメージが浮かびにくいと思うのですが
道州制を取り入れる事によりどのように変わるのでしょうか。
松浪
例えば教育においては、教育委員会の在り方も私たちの身近なところで決め、その在り方自体も地方で決めていけるようになります。また、淀川等の河川の在り方についても国が管理しています。今現在一級河川となると国会までいかなければいけません。しかし、道州制になると、このような事がより身近なところで管理できます。他には、事務処理特例にてパスポート発行の権限も高槻は始めましたが、町でも実施しているところはあります。
このように全てにおいて変わってくると思います。ただこのような事を始める場合、多額の財源が必要な内容になります。そうなると権限と共に安定財源を国から地方に渡すという事が重要となってきます。
大矢
道州制を施行した時に気になるのが社会保障制度についてですがどのように変わりますか。
松浪
健康保険制度および国民皆保険制度は国一律で守ります。ヨーロッパの事例では、国レベルですと最低約1000万人以上が必要とされています。この数値を基に日本国内で検討した時に、四国では1000万人の確保が難しく、また1000万人では不安定であるとも考えられます。日本は国土も狭いので国一律でいきましょうという事になります。
大矢
それについては中央集権で担っていただこうという事ですね。
松浪
ただ、医療保険は一律でも、看護師の配置基準、病院のベッド面積基準等の細かい基準についてはそれぞれの地域基準でいいのではないかと思います。保育所についても同じ事が言えますし、その他いろいろな事が地方で決められるようになります。
高槻は中核市であり保健所行政もおこなっていますので実施できる事はたくさんあると思います。あとは政治の意思だと思います。維新は地方から国を変えるという事を掲げていますから、国会議員といえども自分の地元の府や市の事には口を出さない。また、頼まれた事だけを実施するという今までの横割りの政治はやめて、皆で連携した一体型の政治を実施する時期なのではないかと思います。
今までの歴史上においても変革がない時代は体制維持でよいのですが、変革が大きい時代は体制が変わらなければなりません。例を挙げると江戸城内から江戸幕府を変えようとはならないですよね。やはり、薩長の様に辺境から国を変えていこうというように、必ず変革は辺境からおきます。
大矢
おっしゃられているように高槻と府と道州制の中で連携して社会制度については国が担うというのであればうまくいきそうなイメージはありますね。
松浪
現在の高槻市にくる交付税の金額は、総務省が「基準財政需要額」というのを細かく算定して算出しています。これが道州制になれば、例えば医療に関するものについては医療基準需要額というのを道州レベルで算出します。
また、終末期医療についても検討せねばなりません。現在の医療制度は、亡くなられる最後の1ヵ月間は平均100万円が必要となり、また治療方法も本人の希望する治療かどうか、選択の余地もありません。そのような今の医療は見直しが必要だと思います。それであれば最初からどのような亡くなり方をしたいかを決めておき、苦しむ前に老衰できるシステムを確立し、浮いたお金を若い世代に廻すなどのやり方はいくらでもあると思います。終末期医療については「リビング・ウィル」というものはあるのですがそれをとり、自分の地域のかかりつけの先生を決めてその先生および家族と一緒に話し合って決めるというシステムすらありません。
大矢
今も国民皆保険とありますが国民年金も約60%の納付率である事からこのままでは国民皆保険とはいえなくなってきているのではないですか。
松浪
その通りです。それについては国が「歳入庁」というのをつくります。まずは国民番号制、いわゆるマイナンバーを導入し個々の所得をしっかり把握し、その次に歳入庁をつくるという事です。
税金を払わなかったら差し押さえをするが、保険料であれば何もないというのもおかしい話なので、保険料も税金も同じように徴収します。その実施主体を形式上、国においておくのか地方におくのかは話し合いが必要です。
また、生活保護の給付金の使途についてもよく国会で議論しました。例えば住宅ですがこれだけの府営住宅があるわけですから現物で提供するということも考えられます。
大矢
他国の事例ではクーポンでの支給等もありますね。
松浪
極論にはなりますが、お米もたくさんあるのであれば現物で支給するなどして、それ以外に本当に必要なお金だけを支給し、教育に必要な費用はバウチャーで支給とするなど、現物での対応にします。そして、他国ではおこなわれている負の所得税の制度である給付付き税額控除を取り入れ、少しずつ働く環境を確立して生活保護でいるより働いた方がよいといった様なグラデーションを入れるようにしてはと考えています。
このような事を強く主張しなければいけないですし、政治家が票になる、ならないという考えを超えて言い切るかどうかだと思います。維新というのは捨て身の文化だと思うのですよ。
大矢
道州制は大阪ではうまく機能すると思うのですが疲弊している様な地方ではどの様な事になるのでしょうか。
松浪
例えば四国で考えてみてください。4県がそれぞれ地方空港を持っており、すべての空港が赤字です。道州制が導入され、もし私が四国知事であれば4県のうちのどこか1県の空港を残し、そこを国際空港にします。小さい空港を4つおいておくのではなく1つに集中させます。空港がなくなる県には違うアドバンテージをおきバランスを保つという考えです。空港がある地域には産業が集積されるでしょうから、そこにはある程度のラインを作り、空港がない県には優遇税制等の、ある種の産業インセンティブを与えます。極端にいえばシンガポールの様な感じですね。そのような事が道州制では可能ですが、今の法体系では関西だけなどの一部の地域のみに優遇税制を取り入れるといった事は不可能です。その点を根本的に変えなければいけないのですが、根本をかえるには実は地方自治について書かれている憲法92条から95条を変えなければならないのです。
大矢
つまり今までの小さかった経済圏を現状に合わせて大きくまとめていくという事ですね。
松浪
現在は車も鉄道も飛行機もありますので、それらがなかった時代と同じ項目を使わない方がよいのではないかという事と、ある程度一律性のない憲法を作らないといけません。例えば憲法96条が注目されがちですが重要なのは95条だと思います。95条では「一の地方公共団体のみに適用される特別法は、法律の定めるところにより、その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ、国会は、これを制定することができない。」とあるため、大阪にしか適用されない大阪都法案をもし作れば大阪全体で住民投票をしなければいけません。これが四国の法人税を下げるという例に当てはめた時も、道州ができてもその道州一つだけで実施しようとしてもできない事になります。
実はこの憲法は50年以上も使われていないのです。そのような足かせを無くさなければ国は変わりません。法律を変えなくてもできる事は沢山あるのですがマインドがついてこないのです。行政だけが変わるのではなくて国民の心を変えて、人の考え方の枠組みをはずそうという事が道州制です。
大矢
非常にわかりやすいですね。現段階での道州制の考え方において課題はあるのでしょうか。
松浪
県庁所在地が関西でも2府4県あるのですが、州都に人も産業も集中するとよく言われていますね。しかし、現在においては全ての考えが東京に一極集中しているので、関西でも便利なところにそれをおくだけでも文化が変わるのではないかと考えます。関西でも目的別首都論のような文化的な首都を適所においてレジャー等を別の場所へおくなど機能分散はできます。
大矢
中国やアメリカも同様な事例になりますよね。
松浪
道州制外交論とは内政だと思います。外交を考えた時に、例えば総理大臣が中国との関係性において悪化が見られた時に、中国に近い九州知事が別のラインをもっていると国家安全保障での国家外交にして2元外交が可能になります。
大矢
国と地方政府が一緒になり外交ができますね。
松浪
そうです。そして、石原慎太郎さんがなぜパワフルかというと1千万人をほこる都市のトップだったからです。大阪市と関西州知事が一緒になったようなかたちです。関西であれば人口は約2000万人ですから、韓国に匹敵するくらいのトップを持つことができます。だから、アジア外交においても世界的なポテンシャルが変わり経済交流も独自性をもって行うことができるのではないでしょうか。
大矢
そうすると今問題となっている議員定数問題なども解消できるようなイメージでしょうか。
松浪
5、6年前に衆議院議員の数は半分でよいと書いた事があります。また国家公務員については現在33万人いますが、その内3分の2が出先機関にいます。その出先機関を地方へ移管しなければなりません。しかし、いきなり3分の2が移ると他部署に無理が生じるので、半分であれば財源もセットで移管すればいいのではないでしょうか。また、めずらしい考え方ではありませんが消費税を地方税化すると、その財源をまかなえる地方もでてきます。
あとは社会保障財源をどのように考えていくかということですが、大矢さんがおっしゃるように未納率40%は対策を考えるべきですね。
大矢
その点が一番の問題だと思いますね。
松浪
未納4割の方々に納付いただいた上で、消費税を上げるのはよいとは思います。
大矢
そのためにはこの国は安心という認知を上げていかないといけませんし、道州制に関しても認知があがりづらくなるイメージをもった方々が多いのではないかと思うのですがいかがでしょうか。
松浪
現在、国が借金を増やし、将来世代にツケをおわせる状況の事を経済学者であるローレンス・コトリコフ氏が「財政的幼児虐待」と呼んでいます。国が借金を止めた上での財政運営を考えると困る状況ではありますが、その困る状況を打開するために幼児虐待してもよいのですかといった事を政治家が言えるかどうかです。しかし、その「財政的幼児虐待」という言葉が認知されていません。
私が考える政治家とは新しい発想を生み出しその概念を理解してもらう。少なくとも普及させる。官僚の皆様は確かに優秀ですが、彼らは彼らのショーの中だけでの話をする事が仕事であり、それ以上は求められていませんので、私たちは議論で負けないのです。発想をどのように作っていくかという時代になっているという事なのです。
大矢
国民の意識も変革していかないといけないと思います。この国にいれば大丈夫だろうという気持ちがどこかで大きくあるのではないかと思います。
松浪
その為には、地方のメディアを道州レベルで再編し、しっかり報道される媒体にしないといけません。地デジ対応でテレビそのものは薄くなっていますが、田舎などいけば都道府県単位なので範囲が狭すぎると思います。もう少しまとめる事により地方紙も中央メディアもテレビも強くなります。ただ、外交安全保障や金融政策等については国家がもっと強力なリーダーシップを発揮していかねばなりません。そこに関西や九州等の州知事に国際外交および経済外交も実施いただきます。州知事とは外務大臣と経済産業大臣を合わせた様な地方外務経済産業大臣のようなイメージです。そのような新しい仕組みを作ります。そのためには私たちだけでは実現できませんので、沢山の方が政治に興味をもっていただきたいと思います。
【若年者層について】
大矢
松浪先生は若年者層への指導に注力されているようなイメージがあるのですか指導に対してポリシーのようなものはもっておられますか。
松浪
私は先生のようなキャラクターだと思いますので、人にインスパイヤーする事が得意だと思います。なぜ私の事務所に学生が多いかと申しますと、各自に将来について作文の指導をし、「将来何をするために何年経つとどのような自分になるか」といった松浪健太式立体スポットで自分自身をStrength,Weakness,Terror,Opportunityに分けてSWOT分析させています。それを実施すると皆のオーラが変わってきますね。いかにロジカルに物事を考え、各自の特性を就職等に活かすかといった構図の作り方です。あとは高槻を廻りながら、自分のトークスクリプトを組み立て直すといった自己改善を教え込んでいきます。精神力と考えるスキルを両方使うといったスキームで行っています。また、「やらない事」を決めてくださいと伝えていますね。変に時間をとられない事、つまり他の人が使わない時間の使い方をどうするかといった事です。
大矢
次世代育成を考えておこなっているというより、自然に成長しているような感じですね。
松浪
そうです。私も驚くくらいです。たとえ少人数でも集まる事によって刺激を受けて人が変わっていく瞬間があるのだと思います。あとは経済人をつくりたいと思っています。
【私たち青年会議所に期待すること】
大矢
私たちJCも個人の意識改革、また高槻島本の地域の人々の意識を改革する機会をつくるという事が主なのですが私たちに対して要望はありますか。
松浪
JCの皆さんは、各々で資金調達をして生涯のリスクをかけて事業経営をおこなっておられるのですごいと思います。それに比べると私は甘いのだと思います。経済人を作りたいと思うのは、自分にそのような能力が劣るので、そのような人を作れるくらい自分が成長できれば、もう少し自分も進化していけるのではないかなと思うからです。
大矢
自分への改革といったイメージですね。
松浪
本気になって取り組めることはとても難しい事だと思います。今までに高槻にはなかった政治勢力を仲間たちと作り上げていくために日々思案しています。前述で申し上げたように私がベンチャー政治家なのであれば、都市自体も未来をつかむためにベンチャー都市にならないといけませんし、高槻の財政も他市と比較するとましだといわれていますが、あくまでもましなだけであるという事です。
また、高槻北部地域もベッドタウン化していますが、最近は高槻中心部に人が流入しており、空き家が見られるようになりました。高齢化率についても今はまだよくても、近い将来すごい勢いで進んでいきます。
大矢
都市間においても人口の取り合いのような傾向がみられると思うのですがそのような状況では全体を視野とした時に得るものはないのではないかと思います。それより抜本的な考え方として出生率を向上させるような国をつくるという事が大切なのではないかと思います。
松浪
子どもについては社会構造の問題となりますので、子どもにお金をかけるとなると難しい部分もありますし、出生率の問題となると移民の話になる事もありますね。移民についてはフランスの暴動事例などもありますので、ノウハウがない日本で対応できるのかといった懸念があります。もし日本が移民を受け入れるような事があれば、日本国そのものがバランスを欠いて崩壊してしまうのではないかと思います。もし実施すると仮定したとしても、道州制が導入されていれば一部の地域で先行して実施してノウハウを蓄積するべきだと考えます。今までの枠組みを超えたフレームワークで国家、政策、経済そして法律にかかわらないメディアや文化をもう一度日本でつくりましょうという事が道州制です。
そうする事により市町村も今までよりはるかに大きい権限を持つことになりますが、その分権限の委譲がおこなわれることになりますので代わりに自治体にも破綻法制を取り入れる事です。
大矢
自分たちでしっかりおこなう意識の向上が重要ですね。
松浪
そうです。自分たちの債務は自分たちで対応する意識です。元鳥取県知事の片山さんがよくいわれていたのが、「自治体に力を与えるという事は自治体が自分の意思で借金ができるようにするかどうかだ」という事です。地方には自由な起債権がないので本当に借金できるのは国だけなのです。何かが生まれると責任が生まれるのですが、その責任が今の地方自治体にはないという事が問題です。
大矢
責任がないから精度が向上しにくいということですね。
松浪
地方交付税を国から毎年約17兆数千億円交付されるわけですが、そのうちの法定5税の法定率分は約10兆円少ししかなく、残り約6.1兆円は地方に借金をさせ、いつか国が払うという臨時財政対策債です。これの期限が平成25年までになります。これが臨時で在り続けるのか、臨時で終わってしまうのか。この約6.1兆円を地方が借金してしまうのです。
大矢
私たちが知らない大変な問題がたくさんありますね。今日お話しをきかせていただいてこんなにたくさんの問題がある事がよくわかります。
松浪
根本については責任を負うという事が大事になりますし、高槻市ついては現在の枠組みにおいても実施できる事は沢山あります。私でしたら学校がこんなにも空いてきているのであればそこに福祉施設と学校を併設させ、情操教育なども一緒におこなう新高槻方式など実施できる余地はあると思いますし、非常にポテンシャルが高い市だと思います。
大矢
様々な改革を期待しております。本日はお忙しいところありがとうございました。
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