お知らせ
2013年理事長対談 中浜 実市議会議長 2013年2月26日
【議長のプロフィールについて】
大矢 HP等で拝見させていただきましたが市役所勤務から議員
になられた経緯を教えていただけますでしょうか?
中浜 当時の私は議員を目指していたわけではありませんでし
た。当時、私が市役所職員の時に応援していた議員が急死
されました。翌年の4月が選挙でしたが選挙がおこなわれ
る前年の10月に亡くなられ代わりを出さなければいけな
いのではないかとの話になりました。当時、私は労働組合
の委員長をしておりましたので、いろいろな方にお願いに
あがりましたが誰もいない状況でした。選挙に出馬するた
めには仕事を退職しなければならず、ほとんどの現職も出
馬され尚且つ4人の定数減の選挙でした。当選する確率は
3割もしくは4割と言われ、厳しい状況でした。しかし、
労働組合委員長といった責任もあり急遽出馬することに決
め12月に職場を退職しました。地域の住民の方やPTA
もしていたこともあり、沢山の方の応援のおかげをもって
当選させていただくことができました。
大矢 議員になられた当時と議員を務められて4期目となる現在
において中浜議長自身の考え方や感じ方の違い等はありま
すか。
中浜 職員であった時も市民目線でと思って、仕事をしていまし
たが、議員になってからは、より一層市民目線での取り組
みをさせていただいております。やはり職員の立場からと
議員としての立場では市民に対しての目線が感覚的な部分
も含め変わったように思います。職員としてできる事と議
員としてできる事では大きく内容が異なりますし、議員1
期目より2期目、3期目と仕事の内容が変わってきまし
た。もちろんプレッシャーもありますが職務に対してやり
がいという良い意味での楽しみもあります。若い方には是
非その様なことに関心を持っていただきたいと思います。
現在、高槻市には36人の議員がおりますがそれぞれのス
タンス、思い、考え方、議員になるきっかけにも違いがあ
りますので、それぞれ個性豊かな議員環境の中で自分なり
の道を信じて活動することが大切だと思います。通常の会
社ですと誰かに気を使わないといけませんよね。上司であ
ったり、同僚であったり。議員の場合は誰かに気を使うこ
となく、信念に向かい自分1人での活動ができます。
大矢 一人でいろいろな人の話を聞き議会にて提案するといった
事ですね。
中浜 そうですね。いろいろな人と知り合うことができますので
ものすごく勉強になりますね。
【議会の取り組みについて】
大矢 市議会での議長の役割は議会を統括し議事録作成指示の
権限等がございますが議長を担当されているうえでの感
想はいかがでしょうか。
中浜 議長としては議事を中立・公正な立場で整理していくのが
職務。また、会派の調整も必要ですね。
大矢 会派も多く存在するのでまとめるのも大変そうですね。
中浜 基本としてまとめるのは議場となりますが、議場でまと
めることを前提としてある程度事前に各会派の意見をき
くこともあります。
大矢 ある程度ヒアリングしておくことで議事をスムーズに進
行することができるということですね。
中浜 国と異なり市では議員と市長の二元制となります。つま
り、双方ともに市民から直接選挙で選ばれているからで
す。これは国との大きな違いです。また、議長として議会
を代表して、シニアクラブ、夏祭り、運動会、文化祭、そ
してスペランツァFC大阪高槻やガンバ大阪等の行事に招
待されいろいろな方と会って、議会代表としての挨拶をす
ることになります。そういった意味では視野がひろがりま
すね。
各方面で活躍されている市民の方々と直接お会いしていま
す。また、高槻を代表して、スポーツなどにおいて日本一
や世界で活躍されている方が高槻には多いですね。そのよ
うな方たちとお話をさせていただくことは、見識も深まり
良いことかなと思います。
大矢 地方行政は二元制であり国の行政とは異なりますが、
このような事を知られている人は少ないのではないかと思
います。また、議場は傍聴できると思うのですが状況はい
かがですか。
中浜 高槻は70席満席になることもありますが、昨年平均で
20~30席くらいは埋まっていますね。
大矢 意外に来られていますね。個人的には議会に来られる人
はいるのかなと疑問に思っていました。私も最近になり
いろいろと勉強をしましたが私たちですら知らなかったの
で住民の方はほとんど知らないのではないかなと思います.
そういった事を広めていただければ高槻市民ももっと市政
に興味がわいてくるのではないかと考えます。
中浜 市民の皆様にも傍聴していただけるように我々も努力し
なければいけないという事で、傍聴者への資料を充実した
り、議会だよりを工夫して表決結果を記載したりと市民か
ら見た時に議会の動きがわかるように改革はすすめている
状況です。
大矢 議会の改革の検討会もあるそうですがどういった事を検討
されているのでしょうか。
中浜 市民のみなさんにわかりやすい、開かれた議会にするには
どうすればいいか、また、報酬問題、また、世の中全体が
定数削減傾向となっていますので定数問題などもあります
ね。
大矢 30万~40万の人口の都市においては37.2名が国平
均議員数となっているようですが、高槻の議員数が36名
であることから平均に保たれているのかなと思います。
報酬の部分においては全国平均が約50万ですが高槻市に
おいては66万となっています。そのあたりについてはも
う少し市民目線での論議が必要かなと思います。
中浜 現在の市民のみなさん方の経済状況を考えると、報酬も検
討課題となりますが、報酬は市長との関係もございますの
で報酬審議会での議論が必要かと。
大矢 議員任期が4年であれば検討会の任期も4年になるので
しょうか。
中浜 検討会では2年以内に一定結論を出すということになって
おります。昨年より月1回のペースで会議をおこなってお
り今年で2年になりますのでもうすぐ答申をいただくこと
となっています。その答申の中ですぐに実施できるものは
実施しますがもう少し調整が必要な事もありますね。しか
し、重要な項目は定数問題と、報酬問題となりますね。
大矢 高槻市議会のインターネット中継などは考えていますか?
中浜 インターネット中継はいろいろなところで増えています
ね。大阪府下においても実況形式でおこなわれていると
ころもあります。これは必要であるといった意見が多いの
ですが、議員の自己アピール・パフォーマンスの場になっ
てしまうおそれがあり、いま検討中です。
大矢 検討会はどなたが中心になっておこなわれているのでし
ょうか。
中浜 副議長が中心になり各会派の代表および無所属の方を招
集しておこなっております。
大矢 議長のお仕事も大変と思いますが議長の任期はどのよう
になっていますか。
中浜 1年になりますね。
大矢 もう少し長くてもよいのかなと思いますがいかがでしょ
うか。
中浜 そういった論議もあるのですが、議長を目指しておられ
る方もおられますので任期を長くすると問題がでてくる可
能性があります。
大矢 我々青年会議所での任期も1年になります。1年で実施で
きる事は限られていますが青年会議所の活動はその1年で
完結させなければなりません。年当初での所信表明をもと
に1年後には結果をださなければいけませんので非常に大
変な活動です。そのような1年を議長に例えると、より大
変なのではないかなと思います。
中浜 役職からの視点と全体からの要望は異なりますので議長任
期が2年になるとできる人が限られてきます。変更するに
は、討論が必要だと思います。
大矢 我々は青年経済人であり、その青年経済人が集まり1年間
で事業を完結させます。そして40歳までに経済人として
の知識を蓄えていく形となります。そのための奉仕、修
練、友情といった目的があります。1年でなりたい人はた
くさんいるとの事でしたがやらなければならない事をお仕
事として1年やりきるのは大変な事だなと感じましたね。
私個人的には2年くらいは任期があったほうがよいのでは
ないかと思いますね。
中浜 議長といえども独断で決めるわけではなく、結果的には相
談しながら決めますので議長を辞めたとしても、議員を辞
めるわけでもありませんので、今までの経過を次の議長へ
とつなぎ、継続しておこなっていきますので、そう問題に
はならないと思います。
大矢 ある程度の蓄積はしっかりとつないでいくということです
ね。
【高槻市の施策について】
(良いところ、改善が必要なところ)
大矢
私は高槻市に生まれ 育ち4
0年が経過しようとしてい
ますが人口も多く中核都市
であり良いまちだと思いま
す。私が思う足りない部分
というのはこんなに良いま
ちですが人口がまだ少ない
と感じます。今年、高槻
まつり振興会の副会長を担
当させていただくのです
が先日、高槻まつり振興会
会長のお話をお聞きしました。高槻市は年間3万人くらい人口の
出入りがあるとおっしゃっておりました。人口数に変化はないそ
うですが驚いたお話でした。議長が思われている高槻市の良いと
ころ、悪いところではどのような事がありますか。
中浜 高槻は面積の半分近くが山林であり田んぼもあり自然があ
ります。また、交通網も大阪京都間の中心にあり歴史遺産
もたくさんあります。私も高槻に生まれた事もあり大好き
なまちですし住みやすいまちだと感じています。民間調査
においても住んだ人たちが良かったといわれているわけで
すから、問題としては市長もいわれているようにPRの部
分だと思います。高槻とはこんなところですよといったP
Rが大事だと思いますね。行政的な部分では高槻は今年も
黒字となることが予想され、昭和58年から30年間黒字
となっております。そのような中、駅の再開発や北東地区
の整理も他市がやっていないことを実施しており大学も高
槻市へきてくれております。このように開発もおこない黒
字経営をすることが重要だと思います。昭和60年に行財
政改革大綱が策定され28年目になります。高槻市は吹田
市と比較して1人あたりの税収が少なく、例えば高槻市は
税収が今もおおむね約500億円で、吹田市は同じ人口数
でありながら約100億円以上多いのが現状です。だか
ら、行財政改革を日常的に進めることが必要なのです。そ
の結果、国は莫大な負債がある中で高槻市ではこの10数
年間で約500億円減少させ、一般会計での負債は減少方
向へとすすんでいます。そして積立金を約120億円増や
しています。この経済状況においてこのような市はあまり
見られないですね。
大矢 今のうちにしっかりしなければならないと市長もおっしゃ
られており、また、このままでは赤字になる可能性がある
というお話もありました。
中浜 他市が職員を増やしている時に高槻市は減らしておりまし
た。当時3,000人いる職員の内約650人削減しまし
たが、それが結果的に現在の安定的な財政状況を支えてい
ると思います。職員のみなさんには、大変苦労をかけてい
ると思います。さらにいい所というのは、ドクターカーで
すね。高槻市の救急医療体制は自慢できるのではないかと
思います。
大矢 高槻市の救急医療体制は良いとききますね。
中浜 また、現職の濱田市長は子育てと教育に力をいれていま
す。若い人口を増やすことは重要です。人口が減る原因は
社会要因があると思いますが高槻市では核家族化がすすん
でいる事により、人口は維持していますが一人独居や高齢
者の2人世帯が多くなっている傾向があります。
大矢 1家族の人数が減っているのですね。
中浜 そうです。また、課題としては庁内体制のことですが、団
塊の世代の方々の退職が続いているということです。今は
ピークが過ぎましたが、毎年、100人前後の人が退職し
ています。
大矢 中間管理職の方たちがいなくなるような感じですね。
中浜 そうですね。その方たちの経験や技能をどう繋いでいく
かですね。
大矢 もしかすると質が下がる可能性があるかもしれないとい
うことにもなりませんか。
中浜 再任用でできるだけ繋いでいますが、逆に若い人たちには
チャンスでもありますので意欲をもっていただきたいとも
思いますね。定年退職者が再雇用されることにより高齢者
が増えるという事は知識や経験が増える事でもあります。
また一方では自信のある若手が一気に伸びるチャンスでも
ありますね。
大矢 人口の構成によっても変わってきますね。
中浜
過渡期ですのでそのような
事も気になりますね。もう
大矢 どういった手法をもって吸収しているのかということで
すね。
中浜 そうですね。そのやり方を大事にしなければいけません。
そして課題の1つとなりますが財政が厳しく、税収も落
ちていく中で市民の要望も増えていきます。行財政改革に
おいても限界があります。
大矢 地方が決めれる事と国が決める事がありますね。
中浜 その中でのキーワードが市民の方々のエネルギーを行政
がどう活用するかといったことですね。もちろん高齢者の
方も含めて最近の50代、60代の方々は元気ですから
ね。また青年会議所の方のように意欲をもって何かやろう
と集まった若い人たちのエネルギーをどう市が吸収してい
くのかといった事になります。そのあたりが課題となり改
善すべきところかなと思います。市民の参画によって少な
い経経費で効果があがるということがおおいにあると思い
ます。行財政改革というと人を減らしたり給料を減らした
りということになりがちですが、そのような点にも目を向
けることが必要だと思います。
【高槻市の問題に対する議会の対応について】
大矢 そのような事を踏まえて考えると市民の方にも意識をあ
げていただかないといけないですね。いろいろなまちの共
通課題として意識の向上は一番大きい課題なのかもしれな
いですね。
中浜議長からみて市議会に対する思い等はございますか。
中浜 これからは議会も市も建設的な討論をしていかなければ
いけませんね。そして、建設的な提案をできるような議会
にしなければいけません。市も議会も建設的な討論をしな
ければいけませんね。
大矢 総合的には議案によっても前向きなかたちを実現できれ
ばといったところですね。
中浜 できればそのように実現したいとは思いますね。
【私たち青年会議所に期待すること】
大矢 最後になりますが私たち青年会議所に期待するような事は
ございますか。
中浜 青年会議所の目標や理想はおききしていますが、皆さん
はより高い理想と思いをもっておられるわけですのであえ
て言いますと、20~40歳の人は行政や政治に無関心な
人が多く、投票率も非常に低いですよね。恋愛から結婚、
子育てなど大変忙しい時期ですから政治のことはどうして
も後回しになる事がありますし、政治なんて変わらないだ
ろうというイメージをもっておられる方もいますでしょう
から、若い人が政治に関心を持ってもらうように青年会議
所の皆様に取り組んでいただけたらと思います。
大矢 私も思った事がございまして、駅で期日前投票をおこなわ
れている市もあります。こういった事例は若年者層が時間
の無駄がなく投票ができる環境を確立する一つの手法かな
と思います。
中浜 現在、高槻市の投票場は富田の小寺池図書館があり今後
はできるだけ投票場を増やしたいですね。駅は少し狭いか
もしれませんので総合市民交流センターなども良いかもし
れいですね。
大矢 総合市民交流センターは良いアイデアだと思います。つま
り政治にもっと関心をもっていただける環境が確立できれ
ばと思いますね。
ありがとうございました。
≪理事長感想≫
社団法人高槻青年会議所理事長として本年度は、様々な方と対
談をしたいと考えており、その第一回として高槻市議会議長であ
る中浜みのる様と対談させていただきました。対談は、私自身も
初めてのことでしたが、話をしていくうちに様々な問題を抱えな
がらも前に進んで行こうという中浜議長の気持ちを共感すること
ができました。
私としてはぜひとも、議会改革の検討会で論議されている議会
のインターネット中継や議員報酬の見直し、また現在検討会では
論議されていないようですが議長任期についても将来を見据えて
本来どうあるべきかとの視点で考えていただきたいと思いまし
た。
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